健診豆知識 ~ 突発性難聴 ~
加齢に伴い、耳は高音から聞こえにくくなるものです。
しかし何らかの原因で突然耳が聞こえにくくなることがあります。外傷や炎症によるものもありますが、今回は意外に身近に起こる突発性難聴について取り上げたいと思います。
名前の通り突然、前触れもなく起こります。
明確な原因はわかっていませんが、ストレスや疲労、内耳の循環不全、ウイルス感染などが考えられます。
突発性難聴を起こしやすい人
・睡眠不足
・不規則な生活
・多量の飲酒
・疲労の蓄積
・糖尿病のある人
どの年齢層でも発症する可能性はありますが、特に仕事や家庭のことでストレスがかかりやすい30~50歳代の人に多い傾向があります。
症 状
・耳の聞こえにくさ(基本的には片側の耳に起こります)
・めまい
・耳鳴り
・耳がつまった感覚
→よく似た症状の疾患
長時間の騒音に繰り返しさらされることにより起こる「騒音性難聴」や、高い音を大音量で聞くことにより起こ「ヘッドホン難聴」、回転性のめまいを伴う「メニエール病」など、鑑別には適切な検査をうける必要があります。
治 療
突発性難聴の治療で最も重要なことは早期受診、早期治療開始です。治療開始までの期間が長いほど、改善しにくくなる傾向があります。違和感を感じた時はすぐに耳鼻科を受診しましょう。
<薬物療法>
ステロイド薬やビタミン剤を注射もしくは内服にて投与します。治療効果としては自然治癒例との差が小さいとの報告がありますが、最も普及している治療法です。
<高気圧酸素療法>
内耳の血流を良くする治療法です。心臓病のある方などは制限されます。さまざまな治療がなされているが特に有効な治療法がないのが現状です。完治する確率は3分の1とも言われています。